台湾の巨大グループ企業、エバー航空について【給与・待遇など】

今回は、以前より多くのお問い合わせを頂いていた台湾の超巨大企業であるエバーグリーングループの一つ、エバー航空についてご紹介します。

エバー航空は副操縦士の募集のみですので、待遇などについては副操縦士の情報がメインになります。

また、毎度のことですが全て独自の情報ということをご理解ご了承くださいませ。しかし、ネットに存在しているどこぞの噂ベースの情報よりも正確で、日本一詳細な情報と自負しております。

今回はかなり力を入れて記事を書いたため、ブログ更新までにかなりの時間がかかってまったことをお詫び申し上げます。

この記事を読めばエバー航空で働くイメージが湧き、きっと応募したくなるかと思います。

エバー航空について

エバー航空(長榮航空)は、台湾を拠点にする航空会社で、ライバルである中華航空(China Air)と常に台湾で1、2位を争っているフルサービスキャリアです。

設立は1989年。設立以来、一度も死者や全損事故を起こしていない会社として知られており、整備部門を担当する同じくグループ会社であるEvergreen Aviation Technologies(EGAT)は、2009年、2011年、2019年にアジアにおいてのベストMRO(重整備を行う事業)を受賞するなどし、安全性において高い定評があります。

また、安全面だけではなく、サービス部門においてもSKYTRAXによる監査で2016年から8年連続で最高評価である5つ星を獲得するなど、世界最高水準のサービスを提供しています。

財政面においても、グループ会社の中心である長栄海運(EVERGREEN MARINE)は、世界で4位の貨物輸送規模を誇る巨大な海運会社であるため、倒産リスクは極めて低い会社と言えます。

この会社がどのくらいすごいのかを表す指標として、2021年の支給ボーナスが40ヶ月分、2022年の支給ボーナスが50ヶ月分でした。

日本では信じられないようなボーナスの額ですが、驚くのはこれからです。。。

2022年は業績が非常に好調だったということもあり、会社は更に11ヶ月分のボーナスを支給しました。(この追加ボーナスは一部の社員のみ)

記事にはEVERGREEN MARINEの平均月給は60,000TWDと書いてあり、日本円でおよそ27万円。それが61ヶ月分だとすると、平均およそ1680万円のボーナスが支払われたということになります。。。羨ましい限りです。

Taiwan's Evergreen Marine to hand out 11 months' pay as mid-year bonus | Taiwan News | Mar. 17, 2023 13:29

使用機材ですが、エバー航空は現在81機の機体(B777-300ER、A321−200、A330-200,300、B787-9,10、B777F)を持ち、アジア、北米、ヨーロッパを中心に就航しています。貨物機も8機あり、新たに3機貨物機を発注するなど貨物事業にも力を入れています。

加盟しているアライアンスはANAと同じスターアライアンスで、会社設立に際してもANAを参考にするなど、ANAとは深い協力関係にあります。

では、早速気になるエバー航空のパイロットの待遇についてご紹介します。

給与

月給

*機種や在籍年数によって変動あり。

FO : 206,000 TWD ≒ 約95万円

CAP : 320,000 TWD ≒ 約145万円

パーディアム

*パーディアムはこのブログで何度も登場していますが、ステイ中などに支払われる手当てのことです。

毎月約10万円〜15万円 (3.3$/H)

この額は機種によって大きく変わってきますが、例えば短距離路線の機種であるA321などは、その分離着陸手当てが付くそうです。

Over time pay

最低補償時間は75時間で、75時間を超えた分は*over time payが支払われます。

*副操縦士の場合、1時間につきおよそ1万円。

ボーナス

業績に応じておよそ*基本給1ヶ月〜3ヶ月分。

*基本給は副操縦士でおよそ約20万円。

13ヶ月給料

エバー航空では1年間の給与を13ヶ月としており、入社月には2ヶ月分の給与が支払われます。日本人の感覚からすると???となりますが、これは1ヶ月の給与を4週間で計算している為です。

4週間(28日)×12ヶ月= 336日となり、365日よりも29日少ない計算になります。それを補填するため、13ヶ月給与として、入社月には約2ヶ月分が支払われるといった措置が取られています。

これは契約の段階で確約されているものなので、会社の業績によって左右されることはなく、必ず支払われるものです。

実質業績に左右されないボーナスみたいなものなので、かなり魅力的な制度です。

年収

色々と日本と違うシステムの為、わかりづらかったですが、以下の例での 額面年収と手取り年収を出してみました。

Ex, 副操縦士、オーバータイム無し、パーディアム平均10万円、業績ボーナス1ヶ月の場合

月給95万円×13ヶ月+パーディアム10万円×12ヶ月+ボーナス1ヶ月(20万円)

=1,375万円

手取り額は約1120万。(税金18%計算)

これだけみても日本の会社と比べてもそこそこいい感じに見えますが、更に台湾では税金の還付を毎年受けることができます。

台湾での所得税法により、年に1回、納めた税金に対して国から還付を受けることができます。家族構成などによって変わってきますがおよそ100万円~150万円程の還付を受けることができます。

そうすると実際の手取り年収額は副操縦士で約1200万前後になり、日本での税率で見るとおよそ年収1800万程になります。

福利厚生

退職金制度

エバー航空では勤務年数に応じて退職金が支払われます。

受け取る為には勤続年数や受け取り時の年齢など、いくつかの条件があります。また、退職時のランクや退職前の平均月給によって退職金の額が変わってきます。

Ex, 35歳で入社。勤続年数30年。65歳(CAP/月給32万TWD)で退職した場合の退職金額。

約6600万円(税引き前、1TWD=4,6円で計算)

もちろんその時の為替レートによって金額は変動しますが、日本の会社と比較してもかなり魅力的な退職金制度です。

ZED (スタッフトラベル)

エバー航空はスターアライアンスに加盟していることもあり、世界中のエアラインのZEDを利用することができます。利用できる範囲は一親頭までになります。エバー航空のZEDは日本人にとって非常に魅力的です。その理由が、なんとANA、JAL両方のZEDが利用できることです。また、日本の会社では他にもJJP(ジェットスタージャパン)も利用可能です。そのため、たとえば羽田(成田)〜沖縄などでは3社合わせて1日20便以上ありますので、余程のシーズンでない限りスタンバイで乗れないという心配がほぼありません。

しかし、驚くのはまだ早いです。

なんと、台湾のライバル会社である中華航空のZEDも利用することができます。日本で言えばANAの社員がJAL便を利用できる(もしくはその逆)といった、到底あり得ないことができるのです。

会社を選ぶ上でも1つの大きな要件になるZEDですが、日本人にとってはANA, JALの両社が利用できるというだけでもかなり大きなポイントになるかと思います。

自社便

先ほどのZEDは他社の便を格安で利用できる制度ですが、もちろん自社便に対しても利用できます。

年に一度、好きな路線の往復分のチケットが無料で利用できる他、90% OFFのスタンバイチケット等、自社便の優待も充実しています。

有給

有給は年間22日からスタートし、ある一定の期間で増え続け、最大は42日です。

有給・公休買取制度

使わなかった有給は年末に会社が買取をしてくれます。

買取額は副操縦士で1日あたりおよそ3万円です。

また、台湾の法律で年間公休数が117日と決められており、それに満たなかった場合はその分を年末に給与として会社が支払ってくれます。(金額はほぼ有給買取額と同じ)

Block Dayoff

これは主に日本から通勤する人向けの制度です。毎月8日間のBlock dayoffという、まとまった連休を好きな日に選択することができます。これは有給よりも優先されるので、基本リクエストが通らないということはありません。また、これは分割してリクエストを出すこともでき、例えば、4日間+4日間、3日間+5日間など、8日間を自由に分割して希望を出せます。これをうまく活用すれば、月末に8日間、翌月頭に8日間の16連休を簡単に取得できるなど、有給を使わなくても長い連休が取れるなど、非常に使い勝手が良い制度です。

会社の中にはパイロット専用の寮があり、広さは少し広めのビジネスホテル程度です。これはコミュートするパイロット全員に部屋が与えられます。キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、キングサイズベッドなど、パイロットが快適に生活できる環境が揃っています。なんといっても、会社の中にある為、Briefing roomまでの出社は、エレベーターで1分で行けてしまう便利さです。

部屋は毎月2回クリーニングしてくれる他、もちろん光熱費や寮費などは一切かかりません。高速インターネットはもちろんの事、テレビは一部日本の番組が視聴できるなど至れり尽くせりな環境です。

また、家族でここに住むことも可能です。

住宅手当

上記の寮の部屋ではなく、寮の外に自分たちで部屋を借りたいという場合、会社が手当を出してくれます。

以前に紹介したエミレーツ航空の住宅手当には遠く及びませんが、エバー航空にも住宅手当が存在します。この住宅手当ての金額は子供の年齢によって変わります。

子供が小学生未満:25,000 TWD≒ 11万円

子供が小学生以上:50,000 TWD≒22万円

注意点としては、寮ではなくこちらの住宅手当を選択して寮の外に住んだ場合は、先ほど説明したBlock day off制度は利用できなくなります。

SNY制度

私的に1番魅力的だと思う福利厚生がこちらです。

多くの日本人パイロットがエバー航空を選択する理由の一つに、日本からの通勤が容易ということがあります。例えば以前に紹介したエミレーツ航空やSTARLUXなどは、日本からのコミュート(通勤)制度がないため、仕事の時は自力で現地まで向かう必要があります。

しかし、エバー航空の場合はSNY制度により、会社が往復分の席を用意してくれるため、日本に住みながら台湾に通勤することが容易です。もちろん、全て無料です。

これはどのような制度かというと、会社が毎月1往復分、通勤用にビジネスクラスを確保してくれます。

また、SNYの利用は制限がないため、何度でも利用可能です。例えば毎月2回日本に帰りたい場合は、1往復分はビジネスクラスが確約ですが、それ以降はエコノミーにされる可能性があるということです。しかし、ビジネスクラスが空いていれば必ずビジネスクラスにしてくれます。事前にビジネスクラスの予約状況などもわかるので、それを見てビジネスクラスが空いている便を選択することもできます。

このSNYを利用すれば、例えば長距離のフライトから台湾に朝着いた後、そのまま空港に残って日本行きの便にSNYを利用して帰国することができます。もちろん、ビジネスクラスでフルフラットですので、ゆっくり寝ることができ、お昼には元気な体で日本に到着し連休を過ごすことができるなど非常にありがたい制度です。

また、このSNYは通勤以外にも利用できるので、例えばパリに旅行したい時などにこのSNYを利用すれば、空席があればビジネスクラスに乗れるので、優雅で快適な旅行をすることもできます。

条件としては搭乗時は制服を着用しなければならないということだけです。

実際、多くのパイロットがこの制度を利用し、休みの日にはビジネスクラスで海外に遊びに行くなどしています。

その他にも、提携銀行先のクレジットカードの最上位クラスがパイロット全員に支給され、世界中の空港ラウンジが利用できるドラゴンパスや、空港までの無料送迎が利用できたりするなどの福利厚生もあります。細かいところまで書ききれないので省略します。

機長昇格

エバー航空の機長昇格プロセスは幾つかのパターンがあり、FOからATRへ移行して機長に昇格するパターン(最短パターン)、FOからのSFO(Senior First Officer)になった後で、機長に昇格するパターンなどがあります。

多くの副操縦士の方が、他社への転職を躊躇う理由の一つに、早く機長になりたいから。というのがあるかと思います。現在日本の航空会社では、入社してから機長になるまでに最短でも大手で10年以上、LCCなどでは4年程度かかります。

エバー航空では、入社してから機長に昇格するまで、最短で4年ほどでチャンスが巡ってきます。もちろん、その時の会社の状況や時代の情勢に大きく左右されますが、大手にも関わらず4年程度で昇格チャンスがある会社は世界を見ても数少ないかと思います。

実際これまでに多くの日本人パイロットがエバー航空で昇格し、機長として活躍されています。

ただ、注意点としては台湾はICAO非加盟国であり、他の国へ機長として転職しようとした際には、台湾でのPIC TIMEを認めてもらえない可能性があります。しかし、これについては実際私も確実な情報を手にしていない為、詳しい方がいましたら是非とも教えて頂きたいです。

今回はエバー航空についてでした。なかなか世に出ていない情報を提供できたのではないかと思います。また最新情報が入り次第、記事を更新していきます。

ブログのお問い合わせやTwitterでご質問をいくつか頂いておりますが、なかなか返事ができずに申し訳ございません。

特定の会社などの情報に関してのご質問には、どうしてもお時間をいただいておりますので、ご了承いただければと思います。

また、記事に関してのリクエスト等ございましたら引き続きお問い合わせフォームよりリクエスト頂ければと思います。

重ねまして更新が遅くなってしまい、すみませんでした。

引き続きソラマルブログをどうぞよろしくお願い致します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました