12月14日に、突如PXSのホームページに「Pyxis Tankers Receives180-day Extension from Nasdaq to Meet Minimum Bid Price Rule」といったニュースが表示されました。まだPXSを保持して日が浅い私にとってはなんぞやこれは?!状態だったので、調べた結果をご紹介します。
NASDAQ上場維持のためのルール
PXSは現在NASDAQに上場していますが、株価は12月16日現在で$0.54と、$1を下回る価格が続いています。
NASDAQでの上場を維持する為の規則は色々とあり、その中のルールの一つである「Minimum Bid priceが1株1ドル以上」というのに引っかかってしまったようです。
(私も初めて見たので、間違っていたらすみません。その時は教えてください。m(_)m)
NASDAQの規則↓
会社の説明↓
この上の会社発表の資料を翻訳したものが、以下のようになります。
2021年12月14日、ギリシャ、マルッシ – Pyxis Tankers Inc. (NASDAQ:PXS)(以下「当社」)は、2021年12月14日、ナスダック・ストック・マーケット(以下「ナスダック」)から、ナスダックの上場規則に基づく最低入札価格要件の遵守を回復するために180日間の追加延長、すなわち2022年6月13日まで(以下「第2遵守期間」)を認める通知書を受領したことを発表しました。
当社は、第二遵守期間中に、当社普通株式の終値が 10 営業日以上連続して 1.00 ドル以上であれば、この 欠陥を解消することができます。当社は、第2コンプライアンス期間内に最低落札価格の要件を再び満たすことを意図しており、必要に応じ て株式併合を含むあらゆる選択肢を検討しています。この間、当社の普通株式は引き続きナスダック・キャピタル・マーケットに上場され、取引されており、この通知による当社の業務への影響はございません。
ポイントをまとめると、
- 最低入札価格要件である1ドル以下を30営業日連続で下回っているために通知が来た。
- 第一猶予期間は過ぎたが、期限を180日間延長し、2022年6月13日までに延長してもらえた。
- この間に終値が10営業日以上連続して1ドル以上であれば、上場維持は継続される。
- 逆に言えば、この期間内に上の条件を満たさなければ上場廃止となる。
- PXSはこの対策として株式併合を含めた対策を検討している。
過去にもこの通知はあったのか?
調べて見ると、PXSがNASDAQからこの通知を受け取ったのは過去にも何度かありましたが、なんとか期限以内に1ドル以上の株価まで戻し、上場廃止を免れてきたようです。
NASDAQ上場維持のルールを再確認すると、
- 1ドル以下を30営業日連続で下回っていると警告通知。
- 1度目の警告通知が来てから180日間が第一猶予期間。
- 猶予期間中に終値が10営業日以上連続して1ドル以上であれば警告は解消。
- 第一猶予期間を過ぎても、追加で更に180日間の追加猶予が受けられる。(第二猶予期間)
- 第二猶予期間中に3の条件をクリアできなければ上場廃止。
1回目:2016年2月26日 (猶予期限2016年8月22日)
→2016年3月14日に解消。
2回目:2018年10月5日 (猶予期限2019年3月5日)
→2018年11月1日に解消。
3回目:2020年4月24日(猶予期限2020年10月24日)
→2020年5月11日に解消。
4回目:2020年7月2日 (第1猶予期限2021年12月28日)
2020年12月29日に追加で180日の猶予期間を延長。第2猶予期間2021年6月29日。
→2021年2月16日に解消。
5回目:2021年6月16日 (第一猶予期間2021年12月13日)
2021年12月13日期限→追加で180日の猶予期間を延長(今回の通知)→次の期限は2022年6月13日。
第2猶予期限である6月13日までに、終値が10営業日以上連続して1ドル以上行かなければ、NASDAQから上場廃止となってしまいます。
過去の実例を見てみると、警告通知をもらってからほとんどが半年以内に株価を1ドル以上に戻しています。4回目は第2猶予期限まで突入しましたが、それでもおよそ7ヶ月で株価を1ドル以上に戻しました。
5回目となる今回は、いつ株価を1ドル以上に戻せるのかが注目すべきところ。会社としても上場廃止はなんとしても免れたいところではあると思うので、何かしらの手は打ってくるものと思われます。
今回の会社発表の文章の中に、気になる一文がありました。
それが、「PXSは対策として株式併合を含めた対策を検討している。」という文。
・・・株式併合?
では、株式併合についておさらいしてみます。
株式併合について
私が気になった「株式併合を含めた対策」。という文章。
株式併合とは、発行済み株式数を減らすことによって、相対的に株価を上げる措置のこと。
わかりやすく説明すると、投資家が500円の株価の株を1,000株、合計50万円分持っていたとします。
会社の株式併合によって、2株を1つとしてカウントされるようになると、1,000株持っていた保有数株は500株に減ってしまいますが、株価は2倍の1,000円に上がるので、資産の50万円に変化はありません。
株式併合前 | 株式併合後 | |
株価 | 500円 | 1,000円 |
保有数株 | 1,000株 | 500株 |
保有資産評価 | 500,000円 | 500,000円 |
PXSの場合で言うとこの措置を行うことで、株価を必要要件である1ドル以上に株価を上げることが可能になります。
そして、この措置を含めた対策を検討しているとのこと。
株式併合は強制的に株価を上げるための最終手段と言えるでしょう。
・・・もしやPXSが今まで定期的に大きく値上がりしている原因が、実はこの株式併合によるものだとしたら?
そうするとこの記事で紹介したRSI85で売却の作戦も使えなくなってしまいます。
PXSに問い合わせ
そこでPXSに、過去にNASDAQからMeet Minimum Bid Price Ruleの警告があった際、株式併合によって株価を上げる措置をしたことがあるかどうかの質問をしました。
返ってきた答えとしては
「Never had to implement a reverse stock split (今まで一度も株式併合をしたことがない」
いったものでした!
この返答によって、今までの定期的な周期でやってくる暴騰は、株式併合とは一切関係ないということがわかりました。
まとめ
今後の戦略としては、第2猶予期限である来年の6月13日までは、何も心配なく保持し続けても良さそうです。過去の傾向を見ると、遅くとも第2猶予期限までには1ドル以上に株価が上昇しているので、今回も恐らく夏前までには戻してくると期待しています。
懸念点としては、オミクロン株や、また新たな変異種によって、株価が1ドルを下回った状態で第2猶予期限を迎えてしまうことですが、新たな飲み薬や3回目のワクチン接種が世界で進んでいることや、最悪の場合株式併合によって株価を1ドル以上に強制的に上げることができるという点を考えると、PXSがNASDAQの上場を廃止になることは極めて低いといえるでしょう。
むしろ、今までの傾向からいっても今後は1ドル以上に大きく上昇する期待値の方が、会社的にも、市況的に見ても大きいと考えています。
今後も値動きは楽観視しながら、PXSに注目していきたいと思います。
何かご意見、ご質問等ありましたら、いつでもお待ちしております。
では!
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